研究概要 |
本研究は,近年,わが国自動車製造業がASEAN諸国を中心に具体化している。「多国間での国際協力により構成品・部品を相互に供給しあう相互補完生産システム」を対象に,その生産・物流情報システムを設計することを目的としたものであり,具体的には,(1)参加国間での構成品・部品の相互補完体制に関する理論的考察を試みる,(2)市場の要求に迅速に対処する新しい部品調達方式を設計する,(3)部品物流に関する数式モデルを構築して,輸送間隔,輸送リ-ドタイムが相互補完生産システムに及ぼす影響を明らかにする,(4)システムの信頼性を経済的に高める緩衝機能の設計方法を考察して関係諸国の経営管理技術の向上と経済の発展を図る,ことをねらいとしている。今年度は,特に,相互補完生産システムの特徴を明らかにするために,その情報及び物の流れをもとに,販売・生産・在庫・物流に関する数式モデルを数理計画モデル及び動特性解析モデルに定式化し,市場の要求に迅速に対処する部品調達方式を構築して,その有効性を明らかにすることに重点をおいて研究を進めた。 主要な研究成果は,以下のとおりである。 1.参加国間での構成品・部品の相互補完体制に関する理論的考察を試みるための数式モデルを構築した。 2.相互補完生産システムの効果的な構成品の生産・在庫・輸送スケジュール作成のための数式モデルを構築した。 3.輸送間隔,輸送リ-ドタイムが相互補完生産システムに及ぼす影響を明らかにするための動特性解析モデルを構築して理論解析を行い,生産・在庫・物量システムとしての相互補完生産システムの諸特性を明らかにした。 4.以上の研究成果を,11.に示すとおり、学会誌及び国際会議で報告した。
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