本年度は、次の1〜3についての検討を行い、成果を国際学会(21th International Pyrotechnics Seminar)で報告した。 (1)硝酸アンモニウム-アルミニウム-HTPBバインダー系固体推進薬の加速老化試験を常温より若干高温の60〜100℃の温度で行った。その結果、経時変化により固体推進薬の燃焼速度は増加するとともに、その増加の速度は簡単な1次式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを見出した。 (2)鉛丹-珪素鉄-三硫化アンチモン系延時薬の加速老化試験を常温より若干高温の60〜100℃の温度で行った。その結果、経時変化により燃焼速度は減少し、減少の速度は初期に大きく、反応時間の経過とともに減少した。この減少の時間変化はJanderの式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを決定した。 (3)ニトロセルロースの硫酸と硝酸かならる混酸中で反応を常温より若干高温の60〜100℃の温度で、自製の熱分析装置を用いて行った。その結果、ニトロセルロースの混酸中の熱分解は自触型の式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを決定した。
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