研究概要 |
次の1〜4についての検討を行い,成果を21th IPS、1995年度火薬学会秋季研究発表講演会および火薬学会1996年度年会で報告した。 (1)硝酸アンモニウム-アルミニウム-HTPBバインダー系固体推進薬の加速老化試験を常温より若干高温の60〜100℃の温度で行った。その結果、経時変化により固体推進薬の燃焼速度は増加するとともに、その増加の速度は1次式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを見出した。 (2)鉛丹-珪素鉄-三硫化アンチモン系延時薬の60〜100℃の加速老化試験では,その経時変化による燃焼速度は減少し、減少の速度は初期に大きく、反応時間の経過とともに減少した。この減少の時間変化はJanderの式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを決定した。 (3)ニトロセルロースの硫酸と硝酸からなる混酸中で反応を常温より若干高温の60〜100℃の温度で、自製の熱分析装置を用いて行った。その結果、ニトロセルロースの混酸中の熱分解は自触型の式で近似できることをおよび変化の速度パラメターを決定した。 (4)水素化チタン-ホウ素-過塩素酸カリウム-三成分系点火薬の加速老化試験を常温より若干高温の60〜100℃の温度で行った。その結果、経時変化によりホウ素含有量2%以下の組成物の燃焼速度は減少するが、2%以上の場合には増加することを見出した。
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