研究概要 |
日立電線(株)日高工場の従業員1000名に対して「現在,作業・職場・生活に関して向上を期待している項目」の調査を行った結果,従業員満足に対する期待項目は3400項目が既に得られている。今回,それらの期待項目が従業員満足の内的構造を的確に表示しているのか,資料としての妥当性が高いかどうかについて検討した。検討は2つの方法で行った。1つは,それらの調査資料に含ませてあるいくつかの解析用項目の対応を分析し,その整合性を求める方法である。この分析の結果,得られている調査資料は十分に使用可能であるという結論が得られた。もう1つは,調査資料の整合性が得られることを仮定して並行して行うが,これらの資料に基づいて因子分析を行い,そこから抽出された従業員満足因子を用いて,実際に生産現場の従業員満足向上活動に適用してみることである。そこで,日立電線(株)日高工場では従業員満足因子の重視割合から,積極的に従業員満足施策の貢献値を算定する方式が採用された。また,日産車体(株)京都工場,日産ディーゼル工業(株)上尾工場及び韓国三星電管(株)水原工場では,それぞれの生産性向上施策を従業員満足因子に引き当てて,その施策の従業員に対する影響を明らかにしていくという方式を採用した。いずれの実践事例でも,こ満足因子を従業員満足の向上に用いることが十分に有効であると結論づけられた。 この間の研究成果を整理して,イタリヤ,ミラノ及びローマで開催された,Paola Spreafico-ConsielとJMAConsiel共催の研究集会で総合生産性マネジメントを支援する方式として発表した。
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