研究概要 |
製品の高度化はますます進み、その使用環境も多種多様となり環境の厳しさも増している今日。製品の企画・設計段階における品質管理あるいは信頼性や安全性の十分な検討は必要不可欠な問題である。我々は対象とする製品の寿命をはじめ、その製品の故障により第三者に及ぼす影響などを事前に検討しなくてはならない。 しかし、企画・開発・設計の段階などで製品の信頼性や安全性を検討するときには、どうしても少ない情報から製品寿命など対象とする製品の特性を推測しなければならない。いわゆる少数データにより母集団の様子を知ることが必要になる。一般に分布またはその分布の母数の推定精度の向上は、解析に用いるデータ数の増加に依存する。しかし、信頼性寿命試験などの解析を行う場合には、その対象自体の発生頻度が少ない場合もあれば、時間的あるいは費用の制約からデータ数が少なくなる場合が多い。さらに得られたデータの中に異常値や異なる母集団のもの(外れ値)を含む場合も少なくない。これらのことが,推定精度に大きな損失をもたらしている。 そこでこれらの問題に対して、外れ値や異なる母集団のデータを含む少数データにもとづく推定問題に重点を置き、外れ値の検出問題も含め、実用性や経済性効率および推定精度の点から研究を行った。そして今年度以下の成果を得た。 ・Weibull母数の推定において外れ値混入に対し頑健な推定方法を提案し、種々の推定方法と精度比較を行った。 ・打切データの場合のWeibull母数の2段階推定方法を提案した。 ・少数データにもとづくWeibull母数の推定問題の総括的研究を行った。
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