長期化・大規模化した雲仙普賢岳の噴火災害は、平成7年5月25日に噴火活動に停止を受けて、災害応急対策から恒久復興対策の時期を迎えた。災害が継続する中で復興対策が立案されてきたが、平成7年には噴火の終了を前提とした対策ができるようになってきた、本研究では、島原市の災害復興の現状を詳しく調査して、各種の課題を分析し、面的整備、砂防施設の利活用、火山観光化構想、防災センターおよび推進体制のあり方を示した。さらに、島原市の自主防災組織の会長を対象にアンケート調査を行い、災害後の地区のコミュニティ、災害環境、自主防災組織の現状、地震防災の考え方を調査した。これらを分析して、復興計画の見直しや新たな計画のあり方を検討した。また、これらの調査をもとに、地域の災害復興や活性化の委員会などに反映させながら研究を進めている。具体的な研究成果として、 (1)島原市の災害復興の現状と課題を整理して今後の復興体制のあり方をまとめた。 (2)噴火活動の停止を受けた復興対策の見直しや追加すべき事項を調査し、分析した。 (3)自主防災組織の会長のアンケート調査より、島原市の地域の状況、自主防災組織の状況などを詳しく調査して、地域の防災コミュニティ形成のあり方を分析した。 (4)これらの結果を、今後行政が行う総合的復興対策に活用するため、研究成果と復興対策をリンクさせる活動を並行して行っている。 (5)ライフライン、道路・鉄道、都市施設、防災施設などが、長期化・大規模化した火山災害に対して、どのように復興対策を立案してきたかの経過を調査してとりまとめ中である。
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