研究概要 |
プロセスプラズマ,宇宙プラズマなどで微粒子の役割,ならびに構造形成について調査を行い,シミュレーションモデリングの方法について検討を行った. シミュレーションは,最初に,微粒子の相互作用をYukawa型で扱うモデルによってシミュレーションコードを作成し,クーロン格子形成を確かめ,これまでの研究と比較した.この方法ではプラズマと微粒子の相互作用に関して大きな近似をしていることになるので,より微粒子プラズマのふるまいを詳しく取り入れたモデルとして,微粒子,正イオン,電子のダイナミックス,微粒子への正イオン,電子の付着等の物理過程を取り入れた計算機シミュレーションモデリングをおこなった.このモデルに基づいて計算機シミュレーションコードを開発し,テスト的なシミュレーションをおこなった.その結果,微粒子が時間とともに負に帯電し,微粒子の電荷量の増大に伴ってクーロン格子が形成されることを確かめた.この様子は実験的に観測されている微粒子プラズマの形成およびクーロン格子形成と対応していると考えられる. しかし,このモデルでは個々の粒子間の相互作用を直接解いているため非常に多くの計算時間がかかり,現在の段階では,イオンおよび電子それぞれを数千個,微粒子を数個しか取り扱えない.そのため,実験等で指摘されているクーロン格子の詳細な構造に関しては議論できる段階にはない. 現在,さらに多くの粒子を取り扱いうるようなモデルについて,これまで取り入れていなかった微粒子同士の結合,微粒子からの二次電子放出などをどう取り入れていくかなどについて検討している.
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