研究課題/領域番号 |
07680502
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 靖 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30214191)
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研究分担者 |
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
桂井 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70011103)
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キーワード | 磁気リコネクション / プラズマ合体 / プラズマジェット / プラズマ加熱 / スフェロマック / 逆転磁場配位 / 異常抵抗 |
研究概要 |
本年度は、プラズマ合体によって生成した磁気リコネクション領域細部の空間構造、特にその磁化、非磁化状態のイオンによるリコネクション電流シートの異常抵抗とイオン加熱機構の解明に大きな進展があった。 第1に分解能を1cmまで高めた磁気計測とイオン温度計測(ドップラー幅法)を駆使して、X点領域の電流シートの電流分布やイオンラ-マ半径を詳細に計測した結果、電流シート幅が圧縮されてイオンのラ-マ半径を下回ると、電流シートの抵抗が急増し、さらにイオンも異常加熱される現象が明らかになった。これは、電流シート幅の低下により非磁化状態(メヤンダリング運動)になったイオンがシートの異常拡散、イオン加熱を引き起こすという従来不明であった異常抵抗発生機構を初めて示したもので大きな成果といえる。これにより、イオンラ-マ半径を低下させるXラインに平行な磁場の印加による磁気リコネクション速度の低下(3成分磁気リコネクション効果)や、外部駆動力による電流シート幅の圧縮による同速度の向上(駆動型磁気リコネクション効果)が統一的に説明できた。 第2に新型マッハプローブアレイによる磁気リコネクション領域細部のジェットを直接計測を成功させ、最大100Km/secというアルベーン速度程度のプラズマ流速や、同流速がXラインに平行な磁場印加によって低下する現象(3成分磁気リコネクション効果)が明らかになった。このイオン流速は粘性によって熱化したときのイオン温度に相当し、Xライン磁場によるイオン異常加熱の抑制現象がよく説明される。磁気リコネクションの磁気エネルギー解放がジェットを発生させ、イオン異常加熱に結びつくエネルギー変換機構が細部空間構造の計測によって直接立証された。 以上の成果は、1996年米国物理学会プラズマ物理部門の招待講演となった他、Physics of Plasmas誌の招待論文への掲載が決定している。
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