研究課題/領域番号 |
07680505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学部, 講師 (70207653)
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研究分担者 |
中村 圭二 名古屋大学, 工学部, 講師 (20227888)
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (40005517)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | アモルファスシリコン / 誘導結合プラズマ / 出現質量分析法 / 多結晶シリコン / 紫外透過分光法 / ラジカル計測 / 低温形成 |
研究概要 |
水素化アモルファスシリコン、微結晶および多結晶シリコン膜は太陽電池や液晶ディスプレイ等の材料としてなどに用いられ、これらのシリコン系薄膜を大面積にかつ低プロセス温度生成することが課題となっている。本研究においては誘導結合シランプラズマによりこれらシリコン系薄膜の低温生成を試み、従来よりも200℃以上低いプロセス温度での膜形成に成功した。また、このような誘導結合シランプラズマ中のラジカル計測を系統的に行い、気相中における活性種組成が従来の容量結合シランプラズマと大きく異なることを示した。さらに簡便なラジカル計測法である紫外透過分光法を開発し、その有用性を実証した。以下に研究の概要を項目別に記す。 (1)紫外吸収分光法を用いたシランプラズマのラジカル計測 紫外吸収分光法を用いた容量結合型プラズマにおけるSiH3ラジカルの検出に成功した。また、この方法を用いてプラズマ中の微粒子の同時計測が可能であることを示した。 (2)出現質量分析法を用いたシランプラズマのラジカル計測 誘導結合シランプラズマは従来の容量結合プラズマに比べて低圧力かつ高プラズマ密度のため、プラズマ中におけるラジカル組成が大きく変化する。本研究では誘導結合シランプラズマ中の中性ラジカル種およびイオン種の測定を行い、成膜に寄与する粒子種に関する知見を得た。 (3)高光伝導度水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)膜の低温形成 従来から、容量結合型シランプラズマによるa-Si : H膜の作成は盛んに行われているが、誘導結合型シランプラズマを用いたa-Si : H膜の作成は本格的な研究は余りなされておらず、その膜質についても評価が進んでいなった。本研究においては誘導結合型プラズマを用いて高光伝導度a-Si : H膜の低温形成に成功し、その成膜条件を明らかにした。 (4)多結晶シリコン膜の低温形成 高速スイッチング薄膜トランジスタ材料として期待されている多結晶シリコン膜のプラズマCVDによる低温形成の実験を行い、まず、誘導結合プラズマを用いることにより従来にプロセス温度よりも300℃程度低い250℃程度の基板温度で微結晶シリコン膜の形成が可能であることを示した。さらに、シランを水素希釈することにより多結晶シリコン膜の低温形成にも成功した。
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