研究課題/領域番号 |
07680513
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
松本 和憲 富山県立大学, 工学部, 助教授 (00107179)
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研究分担者 |
山崎 茂一 富山県工業技術センター, 応用技術課, 主任研究員
川端 繁樹 富山県立大学, 工学部, 講師 (90224831)
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キーワード | 有機塩素系有害物質 / PCB / 無害化処理 / 脱塩素 / 紫外線照射 / プラズマ光源 / 多極磁場 |
研究概要 |
二年間の研究により、地球環境や社会に深刻な影響を与え焼却処理や化学処理が困難な有機塩素系有害物質の一つであるPCBについて、非燃焼的にこれを無害化処理する方法として、多相交流グロー放電を応用した低コスト・高効率・大容量プラズマ紫外線源より光脱塩素無害化処理する技術を開発した。 光源部と処理部を一体にしたコンパクトで移動可能な、実用化を意識した処理装置を設計・製作した。プラズマの閉じ込めを改良した新6極磁場中において、6相交流水素グロー放電により紫外線を発生させ、PCB(KC300)をイソプロピルアルコールに溶かした凡そ1リットルの試料液の光脱塩素化実験を行った。ガスクロマトグラフ質量計を用いた分析の結果、時間とともに脱塩素化が進行し、最終的には無害なビフェニールにまでほぼ完全に脱塩素化されることが確認された。 チタン製の6枚の円弧状電極(長さ518mm、幅50mm、厚さ0.5mm)を水冷式二重壁構造のステンレス円管(外径φ141、内径φ106、長さ500mm)の内壁に、絶縁シート(厚さ0.4mm)を介し密着してセットした。電極が壁面を通して冷却されるので、大きな電力を長時間安定して電極へ供給できた。装置外壁側面に櫛型状に永久磁石(表面残留磁場4000Gauss)を配置し、装置上下端からのプラズマの流失を無くした改良型多極磁場を構成した。プラズマの閉じ込めが向上し紫外線の発生効率が上がるとともに、プラズマが電極表面の領域に集中して発生し発光強度が大きくなった。 PCB試料液を入れた石英管(外径φ50、内径φ46、長さ500mm、内容積1 liter)を電極に囲まれた装置中心に挿入した。試料液温度を冷却(調製)する為に、石英管内部にスパイラル状に巻いた銅パイプ(全長1200、外径φ3、スパイラル外径φ22)を浸し、そのパイプの中へ水を流した。石英管内側の試料にも効果的に紫外線が照射されるように石英管中心に撹拌翼(外径φ30)をセットし回転(250rmp)させた。光脱塩素化過程は、1時間ごとに試料を採取しガスクロマトグラフ質量分析計を用い、試料中のPCB各成分の変化を測定し調べた。
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