研究課題/領域番号 |
07680518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
岡本 正雄 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部・理論・データ解析研究系, 教授 (70115541)
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研究分担者 |
菅野 龍太郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (30270490)
村上 定義 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40249967)
市口 勝治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90211739)
中島 徳嘉 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (30172315)
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キーワード | プラズマ輸送 / 周辺プラズマ / マッハ数 / ポロイダル・ラーモア半径 / フォッカープランク方程式 / 非線形衝突モデル / 平衡・安定性 / ダイバータ |
研究概要 |
トーラス・プラズマにおけるHモードはプラズマ周辺で輸送障壁が形成されるが、最近のトカマクの実験において、輸送障壁がプラズマ内部でも形成され輸送が大幅に軽減されている。周辺の輸送障壁形成の場合、ポロイダル・ラーモア半径はプラズマ・スケールと同程度かそれより大きく、また、ポロイダル・マッハ数も大きい。内部輸送障壁形成の時は、プラズマ輸送が新古典輸送より小さくなり得る。これは、従来の新古典理論(ポロイダル・ラーモア半径やマッハ数が充分小さいと仮定している)を見直し拡張する必要があることを示している。本研究では粒子軌道とクローン衝突を正確に取り扱うモンテカルロ・シミュレーションで、拡張新古典輸送及び関連の輸送現象を理解しようとするものである。特に、周辺部は、ダイバータ-領域やSOLプラズマと主プラズマを結合させ全体の閉じ込めに大きな影響を与える所であり、この点にも重点を置く。 平成8年度の研究実施計画は、(1)大ポロイダル・ラーモア半径、大マッハ数のプラズマの輸送研究、(2)磁気島を含む乱れた磁場中の粒子・熱輸送、(3)SOLプラズマの特性の研究であった。(1)と(3)に対しては、ランダウの衝突積分に帰着する非線形2体衝突モデルを完成させた。このモデルをモンテカルロ・シミュレーションに用い、マックスウェル分布から大きくずれたSOLプラズマにおける熱輸送、2次電子の効果、熱伝達係数、高温ダイバータ-の可能性、等の研究を行い成果を挙げた。しかしなしがら、開発した非線形2体衝突モデルのプログラム・コードは完全ではあるものの、長時間の計算を必要とするため、計算時間を節約するため、粒子数,モーメンタム、エネルギーを保存する線形衝突モデルを新たに開発した。現在、これを用いて(1)の問題,即ち拡張新古典輸送のモンテカルロ・シミュレーションを行っている。最近、大型トカマクでは(例えばITE)、ブートストラップ電流がテアリングモードを不安定化し磁気島を形成し、ディスラプションに至ることが指摘されている。また、ヘリカル系でもブートストラップ電流と磁気島形成の関係が重要であり、このため、(2)の課題と関連して、ブートストラップ電流存在下での(磁気島形成を含む)MHD平衡計算コード(HINTコード)を新たに開発した。
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