研究概要 |
平成7年度は、(n,γn')反応の実験を行う上で必要な実験条件の検討と実験装置の装備を進めるとともに、代美的な測定を行った。当初、測定は相関実験を先行させる計画であったが、コリメータの性能確認も含めて飛行時間測定を最初に行った。 1.実験装置と配置の検討 本実験ではバックグランドの低減とその評価が重要なので、モンテカルコードMCNPと中性子イメージング手法を用いて計算、実験両面から中性子コリメーションの検討を行った。両者の一致はまだ十分ではないが、適切な実験配置を選定できた。 2.検出器系の整備 中性子・ガンマ線相関実験に必要な電子回路を補充するとともに、新たに必要なガンマ線検出器としてBaF2検出器(既存)のエネルギー分解能、時間分解能を標準ガンマ線線源を用いて測定した。エネルギー分解能は、Cs-137のガンマ線(670keV)に対して9%以下と極めて良好であり、時間分解能についても、^〜600psの値を得た。相関測定に十分良好な値である。 飛行時間測定には既存のNE213検出器(5"径x2"厚)を使用した。n-γ弁別、波高分解能などの特性を確認し、実験条件に合わせてパラメータを設定した。 また、本研究で重要なバックグランド決定の信頼性を高めるために既存の反跳陽子テレスコープも効率向上を図った。 3.測定と解析 2MeV中性子に対するBiからの中性子スペクトルを飛行時間法で測定した。データ解析が進行中であり、最終的な結論を得るに至っていない。(n,γn')過程の中性子を同定する上で問題となる、空気やコリメータでの散乱などのバックグランド評価をめている。このデータ解析から中性子スペクトルの概要を把握しつつ、相関実験を行う予定である。
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