研究概要 |
具体的な技術例として太陽光発電システムと風力発電システムを取り上げ、適切な精度のデータにより,その製造,使用過程のエネルギー,各種資源(特に鉄,銅,鉛など)を対象とした資源,エネルギーの収支分析を進めた.その結果,Ms-Excel上に上記技術のライフサイクルにおける資源投入を評価するための断層構造データベースを開発した. 開発されたデータベースを基に,現実に即した構成の複合システムを対象として各種の原材料,環境負荷,廃棄物のリサイクル利用とその対象システム(産業,製品)を含めた全体システムを一括して考慮した資源,エネルギー収支とその再生可能資源としての自立性を検討した.またここに投入されている化石燃料の評価を進めた.これを基に太陽光発電システムを例に取り,特にエネルギー収支と経済性の相関関係の分析を中心に分析をおこなった. これらの技術評価に基づいて,超長期のエネルギー資源の持続可能性を検討するためのモデルを開発した.このモデルにより,エネルギーシステムの持続可能性の判断基準を明らかにし,また超長期的に持続可能なシステムを実現する方策を提案した.また,このモデルの中で,太陽光発電システムなどの再生可能資源利用技術のエネルギー収支と経済性の向上がその導入に不可欠であることを定量的に示した.
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