研究概要 |
本研究のテーマである高エネルギー粒子に対する新古典輸送理論において、従来の新古典輸送理論との本質的な違いは,0次の速度分布関数がマックスウェル分布と異なる点にある.この速度分布のマックスウェル分布からのはずれにより,従来の理論にはない種々の現象などが生じることが分かってきた.これらの中から本年度は主に以下の研究を行った. 1.前年度に行なわれたNBI入射により生成される高エネルギーイオンがつくるブートストラップ電流の研究に続き,本年度はICRF加熱で生成される高エネルギーイオンがつくるブートストラップ電流について研究を行なった.このブートストラップ電流のパワー依存性や電流分布などについて調べた.また,これらの高エネルギーイオンの径方向へのフラックスを求める研究や,これまで求めてきた高エネルギー粒子によるブートストラップ電流などに対する(近似的)解析的表現式などを求める研究などが現在進行中である. 2.前年度に続き,非等方温度分布をもつプラズマ中の新古典輸送理論の研究を行なった.前年度は,電子温度の非等方性がブートストラップ電流に与える影響を調べたが,今年度はこれを径方向フラックスへの影響などにも拡張した.また,電子温度の非等方性に加えイオン温度の非等方性の影響などについても調べた.この結果,温度の非等方性の効果により,径方向電場に依存する項が生じることや,輸送係数が電子やイオンの垂直温度と並行温度との比に大きく依存することなどが分かった.
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