・ザイール気象庁から入手した地上気象観測資料を数値統計解析し、本調査地域における気象・気候に関する基本データベースを作成してきた。この解析により以下のような新たな知見を得た。 1.熱帯雨林気候や、それからサバンナ気候に遷移する気候帯では、顕著な気温の2〜5年の振動が存在し、ENSOと密接に関係している。 2.約10年の周期的振動も存在し、太陽黒点数の変化と高い相関を示す。 3.どの地点においても、解析期間の全球平均の昇温率に比べてかなり高い、永年的な気温の増加(30年で約0.5〜1.5℃)が認められた。 4.ほとんどの観測点で、緩やかであるが継続的に相対湿度・降水日数・降水量が減少している。地域によっては、乾期が長くなるとともに雨期における降水量が減少している。 ・地球環境探査衛星NOAA搭載の超高感度放射計による測定データや、ヨーロッパ連合の気象衛星Meteosatによる気象観測データを入手し、地理情報システム(GIS)に基づく画像処理解析を開始した。 ・研究代表者が1991年以来実施してきたアフリカ現地における植生・環境・文化等の野外調査で得られた数多くの資料を整理し、本研究および今後の調査・研究に融合的に有効活用が可能なデータベースを作成してきた。
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