研究概要 |
初年度の平成7年には、北太平洋亜寒帯(Station SA)およびベーリング海(StationAB)にて1990-1994年の期間中に得られた時系列セディメント・トラップ試料を用いた分析を推進した。主に化学分析に勢力を集中した。粒子フラックスの基礎パラメータであるC,H,N,CACO_3,オパール等の分析に関しては1990-1993のサンプルの分析をほぼ終了うぃた。このうち1990-1992の全量フラックス、C,H,Nに関しては、北大グループですでに値が一部出されており、本研究グループとのインターカリブレーションが行なわれた。この結果、両研究グループで個別に出したデータはお互いに非常に良く類似しており、お互いに信頼性の高いものであることが判明した。さらに上記化学分析の他、今年度は珪藻、円石藻、レデイオラリア類等の生物源粒子フラックスに関しても実験室での計測を開始しており、基礎データの一部が蓄積された。縁辺海であるベーリング海のStation ABでは、年間を通してフラックス値が外洋域のStation SAに比較して約2倍の高さで維持されていることが判明した。すなわち、これはベーリング海の高生物生産性を意味するものである。一般にスラックス極大値は春と秋に起こり、大きな年変動が観察された。 また、アラビア海の3定点(West, Central, East)各2層から得られた1986-1987年のセディメント・トラップ試料を用いて、レデイオラリア類のフラックスを求めた。上記の北太平洋とインド洋の研究結果等の初期論文の発表を行なった。
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