累積CO_2排出原単位を指標とした評価法のコンセプトをベースに、製品のライフサイクルにわたる環境への影響度を定量的に評価できるLCA手法を提案した。このLCA手法の開発に際して次の2つの解決すべき問題があった。その1つは複数の製品を算出するユニットにおいて、各製品に累積CO_2排出原単位をどのように割り当てるかという所謂配分問題であり、他の1つは使用済み製品をリサイクルする場合、それに対していかなる累積CO_2排出原単位を割り当てるべきかという問題である。 LCAプログラムを作成するに当たり、第1の問題に対しては配分割合をパラメータとして取り扱い、いかなる配分政策にも対応できるよう配慮した。第2の問題に対しては使用済み製品のリサイクルを促進するという観点からその累積CO_2排出原単位を0とすることが合理的であるという考えを採用した。 このLCAプログラムを用いて、天然資源の状態から最終処理に至る製品のライフサイクルを工程図(フローシート)で描き、フローシート上の物質、エネルギー、環境影響負荷に関する全てのデータを特別に作成されたインベントリ表に書き込み、それを自動的に読み込んで累積CO_2排出原単位を算出するLCAプログラムを開発した。この計算プログラムは凡そ通常のフローシートに描ける製品ライフサイクルに対してきわめて汎用的に適用できることが証明された。 この計算プログラムを使用してペット(PET)ボトルからカーペットへのマテリアルリサイクルと発泡ポリスチレン(EPS)包装材の焼却によるサーマルリサイクルについて累積CO_2排出原単位を算出し、いずれのケースもLCAの観点から推奨されるべきものと結論づけた。
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