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1995 年度 実績報告書

代替フロンの対流圏での分解機構と赤外吸収および大気環境への影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 07680589
研究機関東京理科大学

研究代表者

佐藤 春雄  東京理科大学, 理学部, 助教授 (40124672)

キーワード代替フロン / 酸化分解反応 / 赤外吸収スペクトル / 大気環境 / 影響評価 / 温暖化能 / 対流圏 / 低温
研究概要

1.203K〜300Kにおいて、光照射および赤外吸収スペクトルの測定が可能な光路長0.5mのセルを試作した。このセルは、新たに購入した卓上型マルチク-ル(低温槽)よりメタノールを循環させ冷却し、温度安定性は±0.1℃であった。
2.このセルを使用しHCFC-124の赤外吸収断面積の温度依存性を研究した。HCFC-124の赤外スペクトルにおいて、伸縮振動の吸収は低温では、吸収強度が増大し線幅が減少した。一方、変角振動の吸収においては、吸収強度および線幅が両方とも測定温度の低下により減少した。HCFC-124の赤外吸収の全体の面積強度は、300Kに比較し対流圏界面の温度すなわち210Kでは20%減少することが明らかになった。この結果から代替フロンの地球温暖化能の現在の評価値は、約10%過大評価されている可能性がある。この結果を考慮すると、すべての代替フロンについて詳細な検討が必要であることが明らかである。
3.代替フロンであるHCFC-122の、塩素原子の水素引抜きで開始される、酸化分解反応の温度依存性を研究した。CHCl_2CClF_2(HCFC-122)の酸化分解反応で生成するCClF_2CCl_2Oには、Clの脱離反応とC-C結合の開裂反応の二つの反応経路があり、この分岐比は温度で変化し、低温では塩素の脱離反応がより優勢となった。塩素の脱離反応では、CClF_2COClが生成するが、この化合物は大気中で水と反応し、CClF_2COOHとHClを生成し、雨により大気中より除かれると推定されるので、C-C結合の開裂により生成するCOCl_2やCOF_2に比較し環境への影響は小さいと考えられる。よって、HCFC-122の分解では低温の方が、より大気環境への影響は小さいと推定された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Sato and M.Ebara: "C-C Bond Cleavage on the Oxidative Degradation of CHCl_2CClF_2 at low temperatures" Chem. Lett.(発表予定).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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