研究課題/領域番号 |
07680599
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
長谷川 淳 富山大学, 工学部, 教授 (20019186)
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研究分担者 |
篠田 操 富山大学, 工学部, 教務職員 (90196395)
加賀谷 重浩 富山大学, 工学部, 助手 (50272894)
神原 貴樹 富山大学, 工学部, 助教授 (90204809)
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キーワード | 農薬 / 光触媒 / 二酸化チタン / 排水処理 / 光触媒分解 |
研究概要 |
1.平成7年度で作成した光照射装置を用いて、平成8年度には6種類の農薬(CAT、イソキサチオン、MEP、TPN、DDVP、IBP)の光触媒分解を最適TiO_2濃度(100mg/100ml農薬水溶液)、波長290nm以上および光量子数3.3x10^<14>quanta cm^<-3>s^<-1>で行った。平成7年度で行った6種類の農薬の結果も合わせて述べる。2光触媒分解速度は農薬濃度の一次に比例し、光分解及び加水分解速度よりはるかに速く、また半減期は47分以内であった。光源として高圧水銀ランプの代わりに真夏の太陽光を用いた場合には、農薬の分解は2.6〜14.7倍加速された。その主な原因はTiO_2励起に必要な290-390nmの光量子数が太陽光が数倍多いこと、また短波長光に対する農薬の分解効率が良く、その程度が農薬により異なるためである。光触媒分解の量子収率は0.0002〜0.016であった。3.農薬(DDVP)の光触媒分解の初速度はTiO_2に吸収された光量子数および量子収率に比例し、農薬の初速度に対してはLangmuir-Hinshelwoodの式に従う。4.農薬の光触媒分解が進行するにつれて、水溶液中には無機イオン(NO_3^-,NO_2^-,Cl^-)が増加した。農薬の減少と無機イオンの増加の時間変化を測定した。5.農薬(IBP)の光触媒分解中間体を固相抽出法を用いて濃縮後、GC-MSにより中間体を同定し、分解経路を推定した。TiO_2表面上で生成した・OHがP-O結合を酸化解裂させる経路と・OHがベンゼン環に付加する経路があり、両経路を経てベンズアルデヒド、フェノールアルデヒドおよびチオールリン酸などが生成し、最終的に無機化していくことが分かった。以上の結果から、排水中の農薬はTiO_2により容易に光触媒分解され、水銀ランプと太陽光を光源に併用することにより、排水処理法に適用できることが分かった。
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