本研究では、バイオウエストの可溶化と資源変換のための水蒸気爆砕、酵素糖化、アルコール発酵、樹脂化の効果的なシステムが開発された。バイオウエストの一つである稲わらが水蒸気圧力2.55〜4.02Mpa、蒸煮時間0.5〜10minの操作条件下で爆砕された。爆砕稲わらは比較的容易に水可溶性物質、メタノール可溶性リグニン、Klasonリグニン、セルロースと低分子物質の混合物に抽出分離された。爆砕稲わらのpHおよび細孔径分布、抽出成分の抽出量、酵素による糖化率などの特性に及ぼす操作条件の影響が検討された。爆砕稲わらの酵素糖化率はメタノール可溶性リグニン量が増加するにつれて増加した。酵素糖化率は水蒸気圧力と蒸煮時間の関数で表され、最大糖化率は水蒸気圧力3.3〜3.8Mpa、蒸煮時間1.8〜2.2minのときに得られることが式から推算された。爆砕稲わらの酵素糖化液中に含まれるグルコースとキシロースはPichia stipitisによって迅速かつ高効率でエタノールに変換され、通気量0.2vvmの時エタノール生成量は最大値に達した。ポリテトラフルオロエチレン膜を用いたパ-ベ-パレーションを連結したバイオリアクターが酵素加水分解物から高濃度エタノールを得るために開発された。水蒸気圧力3.53Mpa、蒸煮時間2minの爆砕で得られたメタノール可溶性リグニンはエポキシ反応によって熱硬化性に優れた樹脂に変換された。
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