研究課題/領域番号 |
07680659
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
|
研究分担者 |
荒田 洋一郎 帝京大学, 薬学部, 助手 (90246017)
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
|
キーワード | ガクレチン / 線虫 / C.elegans / 皮膚 |
研究概要 |
線虫Caenorhabditis elegansには以前発見した32kDaガレクチンの他に16kDa型ガレクチンも存在することを発見し、全構造を解明した。32kDa型が糖結合領域を2つタンデムに持つものだったのに対して、16kDa型は1つだけ持つプロト型であった。脊椎動物の場合と同様に線虫にもプロト型タンデムリピート型があることは、ガレクチンの普遍的役割をさらに確信させるものであり、ガレクチンの分子進化を理解することに大きく貢献した。ガレクチンに対する生体内でのリガンドの本体をきわめるために、特に線虫の内在性リガンドに焦点をあて、固定化ガレクチンのアフィニティーカラムにより、脊椎動物のラミニンに匹敵するような高分子蛋白質や、それよりも小さいいくつかの蛋白質を検出できたので、今後は構造解析、cDNAクローニング等により、本体を明らかにしてゆく。ガクレチンの組織内、細胞内での分布、発現状況を、ニワトリ胚の皮膚における2つのプロト型ガレクチン(16kDa、14kDa型)について調べた。16kDa型は主として皮膚形成初期の真皮の細胞間マトリックスおよび基底膜に多く発現され、14kDa型は主として後期の表皮のケラチン合成細胞の表面に多く発現されていた。これら2つのガレクチンが皮膚の形成に異なる役割を担って関与していることが明らかになった。またヒト成人の皮膚においても、ヒトの14kDa型ガレクチンはニワトリの14kDa型と似た分布を示した。また線虫の32kDaガレクチンも特に表皮には多量に発現されており、脊椎動物の場合と同様に、外界との境界を構築するという共通の目的にガレクチンが使われていることは注目に値する。ガレクチンの存在をできるだけ多様な生物で確認するため、さまざまな動物で検索を試みた。そのうちで環形動物(ミミズ、ヒル等)で、ガレクチンに類似した糖結合性蛋白質を発見したので、構造解析中である。
|