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1995 年度 実績報告書

細胞内シグナル伝達系におけるRasタンパク質の機能調節

研究課題

研究課題/領域番号 07680677
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

佐藤 孝哉  東京工業大学, 生命理工学部, 寄附講座教員 (20251655)

キーワードRas / ファルネシル化阻害剤 / IL-3 / 細胞内シグナル伝達 / GTP結合タンパク質
研究概要

Rasタンパク質はC末端近傍に翻訳後脂質修飾を受け、細胞膜に局在することが機能発現にとって重要であることが知られている。これまでに多数のファルネシル化阻害剤が、Rasによる細部癌化の特異的阻害剤として同定されている。しかし現在のところ、ファルネシル化阻害剤が正常細胞に対してはあまり悪影響を及ぼさず、発癌性Rasでトランスファームした細胞に対して選択的に毒性を示す機構は解明されていない。我々は、ファルネシル化阻害剤が細胞に作用したとき、未修飾の発癌性Rasは、GTP結合型として細胞質に蓄積し、Rasの標的タンパク質と結合して、その細胞膜への移行を阻害するために優性抑制的に作用するのに対し、未修飾の正常RasはGDP結合型として存在するので、標的タンパク質に結合せず細胞に悪影響を及ぼさない、という仮説に基づき、ファルネシル化阻害剤の作用機構の解析を行なった。マウスIL-3依存性プロB細胞株BaF3由来のV2細胞は、培地中へのIPTGの添加により、発癌性Ras(G12V)を誘導発現する。本研究ではこの細胞を用いて、IL-3刺激による、内在性正常Rasを介するRaf/MAPキナーゼ系の活性化と、誘導発現された発癌性Ras(G12V)によるRaf/MAPキナーゼ系の活性化につき、ファルネシル化阻害剤の効果を比較した。その結果、前者はファルネシル化阻害剤によって全く阻害されないのに対して、後者はほぼ完全に阻害されることが明らかとなった。これらの結果は、ファルネシル化阻害剤が内在性のシグナル伝達系には影響せずに、発癌性Rasからのシグナルのみを特異的に抑制することを示しており、選択的な細胞増殖抑制効果を説明するものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Akiko Ito et al.: "G protein β γ subunit a ctivutesRas.Rat,and MAP kinare in HEK 293 cells" FEBS Lett.368. 183-187 (1995)

  • [文献書誌] Koji Terada et al.: "Ras in not reguired for the interleukin3-induced prohteratrin of a moure pro-B cell line,BaF3" J.Biol.Chem. 270. 27880-27886 (1995)

  • [文献書誌] Sadao Man et al.: "Inhibition of Ras.Rat interaction by anti-one ogenic must ants of nernafibuomin,the nemafibromatos type I(NF1)gene poduct,in a celt free syoeleme" J.Biol.Chem.270. 28834-28838 (1995)

  • [文献書誌] Sadao Man et al.: "Inhibition of Ras.Rat interaction by anti-one ogenic must ants of nunafibiomin,the nemafibromatos type I(NF1)gene poduct" J.Biol.Chem. 270. 28834-28838 (1995)

  • [文献書誌] Tomokazu Ohtsuka et al: "Analysin of the T-cell caetivctrim signaluepathucy mechiated by tyramiknin protein kynine C,and Ras protein mhich in modulcted by introcelluln cyclic Amp." Biochein,Bioplys,Acta.(印刷中). (1995)

  • [文献書誌] Takuya Satoh et al.: "Meucmement of Ras-bound guanine nucleotide in stimulated hematopoietic cells." Methods Engymal.255. 149-155 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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