1)好酸性細菌の制限修飾系遺伝子のクローニング及び一次構造解析 PvuIのイソチゾマ-であるAfa22MI制限修飾系遺伝子のクローニングをメチラーゼの性質を利用したハンガリアンメソッドにより行った。その結果、制限酵素Afa22MIに対して耐性な、つまりAfa22MIメチラーゼ(M.Afa22MI)遺伝子を保持する組み換えプラスミドが得られた。塩基配列の解析を行った結果、M.Afa22MI遺伝子と共にAfa22MIのイソチゾマ-であるXorIIの遺伝子に付随したvsr(veryshortpatch repair)endonuclease like proteinと相同性あるORFが存在しており、シトシンのメチル化により生じる5-メチルシトシンがウラシルと間違えられておこるミスマッチを修復する機構が働いていることが示唆された。またM.Afa22MIのアミノ酸配列もM.XorIIと相同性が高く、更にC5-メチラーゼのconsensus motifがよく保存されていることからM.Afa22MIがシトシンメチラーゼであることが示唆された。 2)M.Afa22MI及びM.Afa16RIの精製・性質検討 同じ配列を認識し、メチル化するM.Afa22MI及びM.Afa16RIの精製を行い、性質検討した。最適温度等の反応最適条件を決定することができた。現在メチル化部位の検討中である。 3)MALDI-TOF MSによるメチル化部位の決定法の確立 従来のメチル化部位の決定法は、[^<14>C-methyl]-S-adenosyl-L-methionineをメチル基供与体として用いてメチル化反応後ヌクレオチドを塩基まで分解し、二次元TLCにより展開することにより行っており煩雑なものであった。そこで我々はメチル基の導入で分子量が+14.01Da増加することに着目し、MALDI-TOF MSを用いたメチル化塩基の決定法を確立することに成功した。
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