研究課題/領域番号 |
07680703
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
千秋 達雄 (財)東京都老人総合研究所, 分子老化学研究系・細胞化学部門, 研究室長 (60072998)
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研究分担者 |
秋山 翹一 (財)東京都老人総合研究所, 分子老化学研究系・細胞化学部門, 研究助手 (10110024)
石神 昭人 (財)東京都老人総合研究所, 分子老化学研究系・細胞化学部門, 研究員 (50270658)
大沢 多加子 (財)東京都老人総合研究所, 分子老化学研究系・細胞化学部門, 研究員 (20073017)
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キーワード | ペプチジルアルギニンデミナーゼ / 脱イミノ化タンパク質 / 表皮細胞 / 角化 / ケラチン / フィラグリン |
研究概要 |
ヒト表皮脱イミノ化タンパク質の同定:生検で採取した皮膚を凍結して表皮側を削り取り、タンパク質を分別抽出して二次元電気泳動出分別後、種々の特異抗体を用いてウエスタン法で同定を試みた。その結果、部分的に分解し、分子間S-S結合を持つケラチンK1が優先的に脱イミノ化されていることが分かった。多成分からなる脱イミノ化フィラグリンの存在も認められた。タンパク質の脱イミノ化が、表皮の角化と関わることを想定し、以下の研究を実施した。 齧歯類新生児表皮におけるタンパク質の脱イミノ化:ラットやマウス胎児表皮に脱イミノ化タンパク質は僅かしか見られないが、生後数時間以内に脱イミノ化フィラグリンが急増し、続いて脱イミノ化ケラチンが増加することが分かった。これは子宮内から大気中への環境変化に対する表皮バリア機能構築へのタンパク質脱イミノ化の関わりを示すものである。 培養表皮細胞における脱イミノ化タンパク質の産生:培養系で集密状態に達した種々の培養表皮細胞は、部分的重層化と脱イミノ化タンパク質の蓄積を示したが、ウエスタン法による解析の結果、タンパク質脱イミノ化が生体内より非選択的であった。これは培養系における分化とタンパク質脱イミノ化酵素(PAD)の活性制御が生体内に比して欠陥があるためと思われた。 培養細胞におけるPADの誘導:不死化したラット新生児表皮培養細胞をレチノイン酸処理するとPAD活性の誘導が見られたので、表皮特異的PADの精製とcDNAクローン化を試みた。陰イオン交換クロマトグラフィーにより活性は2成分に分別された。主要成分は既に精製済の筋肉型PADと酷似し、微量成分は表皮細胞特異的と見なされたが精製困難であった。
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