1) MAP2をcAMP依存性Protein Kinaseおよびcdc2 Kinaseでリン酸化し、個々の微小管の重合・脱重合への影響を暗視野顕微鏡で直接観察した。cAMP依存性Protein Kinaseでリン酸化されたMAP2は非リン酸化MAP2と同様に微小管の脱重合を抑制した。これに対して、cdc2 Kinaseでリン酸化されたMAP2は微小管の脱重合抑制能が著しく低下し、MAP2非存在下の微小管と同様に極めて不安定であった。一方、MAP2の微小管重合核形成能は、cAMP依存性Protein Kinaseでリン酸化された場合もcdc2 Kinaseによってリン酸化された場合も阻害された。 2) MAP2をSH基を特異的に修飾するX-Rhodamineiodoacetamide (X-RIA)を用いて蛍光標識した。X-RIAはMAP2の繰り返し配列にも取り込まれたものの、taxolで安定化した微小管との結合は保持していることがわかった。この微小管を暗視野顕微鏡および蛍光顕微鏡で観察すると、個々の微小管上でMAP2のクラスターに対応すると思われる蛍光の非均一な分布が観察された。これを他の色素にも応用し、リン酸化状態の異なるMAP2が顕微鏡下で区別できる。
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