• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

温度感覚受容体の同定とその作動原理の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07680719
研究機関大阪大学

研究代表者

中岡 保夫  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (90029562)

研究分担者 清水 喜久雄  大阪大学, RI総合センター, 助手 (20162696)
キーワード感覚受容 / 温度 / カルシウム / プロスタグランジン / ゾウリムシ / マスト細胞 / ATP受容体
研究概要

ゾウリムシは培養された温度からの温度下降刺激によって、興奮が引き起こされ膜の脱分極、泳ぎの方向変換が起きる。この興奮時に、細胞外からカルシウムイオンが流入することが蛍光色素を用いた細胞内カルシウム濃度測定により明らかにされた。興味深いことにカルシウム流入は細胞前端部に限られていた。
また何種類かのプロスタグランジン合成阻害剤を与えると、ゾウリムシの温度下降刺激による興奮が抑えられることが見つかった。反対に、興奮が抑えられた状態のゾウリムシに特定のプロスタグラジンを与えると温度下降刺激時の興奮が回復した。これらの結果からするとプロスタグラジン受容体が温度感覚受容に関わっていることが予想される。しかしながらゾウリムシが実際にどのような構造のプロスタグラジンを作っているのか、温度感覚とどのように関わっているのかは今後の課題である。
一方、培養マスト細胞(RBL-2H3)が温度下降刺激に応答するかどうかを、細胞内カルシウム濃度変化を測定する方法により様々な条件で調べた。その結果、ATPを外液中に加えておくことにより一過的なカルシウム濃度上昇が起きることが見つけられた。この応答の薬理学的な解析から、ATP受容体を起点とする細胞内の信号伝達系が温度下降刺激により活性化されるために、細胞内カルシウムストア-からのカルシウム放出がおきていることが示された。今後さらにATP受容体が温度刺激により活性化される分子機構を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 斎藤文仁: "Photodynamic action of meltylene blue on the Paramecium membrane" Potochemistry and Photobiology. 63・6. 868-873 (1996)

  • [文献書誌] 岡野 聡: "Cloning of a novel ubiquitin-cuojugating enzyme(E2)gene from the ciliate Paramecium tetraurelia" FEBS Letters. 391. 1-4 (1996)

  • [文献書誌] 栗生 俊彦: "Cold-sensitive Ca^<2+> influx in Paramecium" J.Membrane Biology. 154. 163-167 (1996)

  • [文献書誌] 中岡保夫: "Possible mediation of G-proteins in cold-sensory transduction in Paramecium multimicronucleatum" J.Experimental Biology. 200. 1025-1030 (1997)

  • [文献書誌] 篠沢隆雄: "Participation of GTP-binding protein in the phototransduction of Paramecium bursaria" Cell Structure & Function. 6・21(発表予定). (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi