1.BMP受容体に会合するシグナル伝達分子の単離 セリン/スレオニンキナーゼドメインを含むBMP受容体細胞内領域に会合する分子を酵母two-hybrid systemによって単離することを試みた。即ち、マウスBMP受容体細胞内領域をコードするcDNAをGAL4-DNA結合領域をコードするcDNA(pGBT9)の下流に組み込んだプラスミドを構築し、GAL4活性化領域をコードするcDNAの下流に組み込んだヒトbrain及びplacenta cDNAライブラリーを用い、その結合分子を単離した。その結果、FKBP12をはじめ既知の分子2種、および新規の分子1種を得た。現在、BMP受容体細胞内領域と会合分子の結合能を培養細胞を用いた系で確認している。 2.BMPシグナルに呼応する標的遺伝子の単離 Differential display法を用いることにより、BMP刺激により誘導される遺伝子を探索した。即ち、BMP刺激およびレチノイン酸刺激により分化誘導される培養細胞(MC3T3)を用い、刺激前後のmRNAを調製しDifferential display法によりBMP刺激により特異的に発現が誘導もしくは著しく抑制される遺伝子のcDNAを単離した。その結果、ホメオボックスを持つ既知の分子の他、新規の分子を含む多数の呼応遺伝子の単離に成功した。このうち、ホメオボックスを持つ既知の分子cDNAの全長をクローニング中である。
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