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1996 年度 実績報告書

S期特異的転写を規定するシス配列-トランス因子相互作用に関わるシグナル伝達の研究-

研究課題

研究課題/領域番号 07680738
研究機関京都大学

研究代表者

岩渕 雅樹  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30000839)

研究分担者 荒木 崇  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273433)
キーワードS期特異的転写 / ヒストンH3プロモーター / タイプIエレメント / Hexモチーフ / Octモチーフ / 形質転換細胞 / 形質転換タバコ / 分裂組織特異的発現
研究概要

植物の発芽とその後の発生過程では、分裂組織の細胞は内外環境のシグナルのもとに分裂を開始して植物の形態形成に関わっている。本研究は、ヒストン遺伝子のS期特異的転写発現に深く関わっているタイプIシスエレメントが植物の発生過程において如何なる役割を果たしているかを究明すべく設定され、2年間の研究において以下のような成果を得たので、その概要を報告する。
1)形質転換細胞系におけるタイプI,II,IIIの各エレメントの機能解析:コムギヒストン遺伝子では、HexモチーフとOctモチーフから成るタイプIエレメントの解析が進んでいたが、この研究では、このエレメントに加え、新たにタイプII及びIIIのエレメントがS期特異的転写に関わっていることを、形質転換タバコ培養細胞(BY2)を用いて明らかとなった。これら3つのエレメントには、いずれもOctモチーフが含まれているほかに、それぞれ固有のもう1つのシス配列が含まれていて、その2つのシス配列が協調的に働くことによってS期特異的転写が起こることが明らかにした。さらに、タイプIエレメントによる制御機構として、Hex配列結合因子のHBP-1a及びHBP-1bがOct配列結合因子のOBRFをリクルートする因子として働いているであろうことも推定された。
2)形質転換タバコ植物におけるタイプIエレメントの機能解析:タイプIエレメントの植物体での機能を知るために、H3遺伝子のプロモーターとCaMV35S最小プロモーターに3コピーのタイプIエレメントをつないだリポ-タ遺伝子を持つ形質転換タバコを作出し、この植物体での各プロモーター活性を比較したところ、H3プロモーターと主根、側根、茎頂などの分裂組織で活性を持つが、タイプIエレメントを持つ35Sプロモーターは主眼、側根、茎頂などの分裂組織で活性を持つが、タイプIエレメントを持つ35Sプロモーターが分裂組織特異的活性を持つためには、タイプIエレメントは他のシス配列と協調的に働く必要性のあることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yang,P.: "Structural and functional characterization of two wheat histone H2B promoters" Plant Mol.Biol.28. 155-172 (1995)

  • [文献書誌] Mikami,K.: "Dvelopmental and tissue-specific regulation of the gene for the wheat basic/leucine zipper protein HBP-1a (17) in transgenic Arabidopsis plants" Mol.Gen.Genet.248. 573-582 (1995)

  • [文献書誌] Nakayama,T.: "Trans-activation of the wheat histone H3 promoter by Ga14 DNA-binding domain (1-94) in plant cells" Biochem.Biophys.Acta. 1263. 281-284 (1995)

  • [文献書誌] Okanami,M.: "A bZIP-type protein interacting with the wheat transcription factor HBP-1a contains a novel transcriptional activation domain" Genes to Cells. 1. 87-99 (1996)

  • [文献書誌] Sakamoto,A.: "A zinc-finger-type transcription factor WZF-1 that binds to a novel cis-acting element of histone gene promoters supress its own promoter" Plant Cell Physiol.37. 557-562 (1996)

  • [文献書誌] Nakayama,T.: "Dissection of the wheat transcription factor HBP-1a (17) revealed the modular structure of the activation domain" Mol.Gen.Genet.(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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