研究課題/領域番号 |
07680773
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
堀田 恭子 北里大学, 医学部, 教授 (10050402)
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研究分担者 |
堀内 正 第一製薬(株), 創薬基盤研究所, 主任研究員
市川 尊文 北里大学, 医学部, 助手 (30245378)
小原 進 北里大学, 医学部, 講師 (90118795)
五艘 行信 北里大学, 医学部, 講師 (20112659)
石原 和彦 北里大学, 医学部, 教授 (10104530)
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キーワード | ムチン / 粘液細胞 / トランスジェニックマウス / 胃粘液 / モノクロナール抗体 / 胃表層粘液細胞 |
研究概要 |
粘液産生細胞株GSM06の培養系を確立し、以下に示す実験を行った。先ず、通常のホルマリン固定および粘液固定法であるカルノア固定を行った細胞をPASで染色し、培養時間による染色の変化を検討した。PAS陽性物質は細胞がコンフル-エントになると出現し時間とともに増加したが、予想に反し大部分はカルノア液では固定されなかった。PAS陽性物質の同定を目的に、細胞をグアニジン塩酸/トリトン溶液で抽出し、抽出物をゲルろ過クロマトグラフィーにかけドットプロット法で分析したところ、PAS陽性物質の大部分は低分子物質(おそらくは糖脂質)であることがわかった。しかし、ムチンの溶出位置にもわずかではあるがPAS陽性物質が認められ、この細胞のムチン産生が用いた培養条件で抑えられていると考えた。一方、平行して行った放射性グルコサミンによる標識実験では、培養液に放射性高分子物質の分泌が確認された。分子量が1千万以上であり、ムチンである可能性が考えられたが、グリコサミノグリカン分解酵素で分解されることからこの可能性は否定された。そこで次にGSM06細胞がムチンを産生する条件の検討を行った。種々の条件下で細胞を培養し標識実験を行った結果、コラーゲンゲル浮遊培養において培養液中に分子量200-300万の放射性物質が分泌されることが明らかとなった。この物質の同定は現在進めているところであるが、培養条件を変えることによりGSM06細胞がムチン産生を大きく増大させる可能性が生じてきた。この結果は、本実験が当初目的とした粘液細胞における粘液の合成・分泌の制御機構の解明に加え、ムチン産生発現機構(分化機構)をも明らかに出来る可能性を示しており、次年度に期待したい。
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