研究課題/領域番号 |
07680779
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
竹谷 茂 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20121949)
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研究分担者 |
古川 高子 関西医科大学, 医学部, 助手 (00221557)
河野 比良夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (30148522)
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キーワード | ミトコンドリア / ヘム合成 / ポルフィリン合成 / フェロケラターゼ / コプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ / プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ |
研究概要 |
ミトコンドリアに局在するヘム合成終末酵素群はコプロポルフィリノーゲンオキシダーゼ(CPO)、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)およびフェロケラターゼ(FEC)の三酵素から成るが、三酵素のcDNAを単離して、赤血球細胞分化時の発現誘導機構についてマウス赤白血球細胞を用いて検討を加えた。CPOおよびFECmRNAは、細胞をジメチルスルホキシド(DMSO)処理を行なって、赤芽球に分化させると処理後12時間以内に誘導されるがPPOmRNAは、ほとんど誘導されなかった。CPOおよびFEC酵素量および活性はDMSO処理後、時間に依存して増加するがPPOのそれらは、ほとんど変化しなかった。これらの結果はPPOは少なくとも赤血球分化時の律速酵素ではないことを示した。またヒトPPO遺伝子は、13個のエクソンからなる約8kbの単一遺伝子であることを明らかにした。本遺伝子の5´-上流領域には、赤血球分化因子のひとつであるGATA-1結合部位が存在するが、この領域を組み込んだプロモーターアッセイでは、赤血球分化時の誘導が全く認められなかった。この結果は、先に述べたPPOmRNAの赤白血球細胞分化時の挙動とよく一致した。ヘム合成中間体は終末酵素系に入る段階においてミトコンドリア外膜を通してミトコンドリア内に入るが、この段階のポルフィリン中間体の輸送に、外膜に局在する末梢ベンゾジアゼピン受容体が関与することを明らかにした。本受容体は最終産物であるヘムとも親和性を示すことから、ミトコンドリア内で生成したヘムの放出にも何らかの役割を果たしていることが示唆された。さらに、FEC分子は鉄-硫黄クラスターを有しており、一酸化窒素(NO)に攻撃されることによって不活性化されるヘム合成の新しい調節機構があることを見い出した。
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