研究課題/領域番号 |
07680807
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
濃野 勉 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (20098619)
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研究分担者 |
和田 直之 川崎医科大学, 医学部, 助手 (50267449)
川上 泰彦 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10234030)
石川 哲也 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90221754)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 骨形成因子(BMP) / BMPレセプター / Wnt-5a / Frizzled / 軟骨分化 / 細胞死 / レトロウイルスベクター / 肢芽 |
研究概要 |
動物の胚発生において、種々の細胞増殖因子が形態形成の誘導因子として認識されてきている。本研究では、これら形態形成誘導シグナルとして中心的な役割を演じている増殖因子とそのレセプター系に焦点を当て、シグナルを受け取る側の認識機構から見た作用メカニズムの解明を目的とした。 1.BMPのレセプター系:この研究を通して私達は3種のBMPレセプターを同定した。BRK-1、BRK-2はBMP-2/-4に対するI型レセプターであり、一方BRK-3はBMP-4と極めて高親和性の結合を示す脊椎動物で最初に同定されたII型レセプターである。BMPファミリーはI型とII型のレセプターの共存下でBMPと極めて高親和性の結合を示し、I型とII型のヘテロテトラマ-の形成によってリン酸化のシグナルが細胞内の基質タンパク質Smadへ伝えられて行く。さらに、BRK-2+BRK-3の細胞外ドメインがBMPと高親和性の結合をすることを利用して、これらBRKのキナーゼドメイン欠損型をニワトリ胚で異所的に発現し、BMPシグナルの特異的遮断を試みた。これらをレトロウイルスベクターで過剰発現することによって、間充織細胞の軟骨化と軟骨細胞の成熟が抑制され、その結果、肢芽で位置特異的に軟骨形成が阻害されることを証明した。 2.WntファミリーとShhのレセプター:この研究で新規のWnt-11とWnt-4、Wnt-5a、Wnt-7a、およびShhをニワトリ胚から同定し、肢芽での発現パターンを調べた。さらに、Shhのレセプター系であるPatchedとSmoothenedの発現パターンから肢芽前後の軸性決定とShhの関係を調べた。Wntファミリーのレセプターと考えられているFrizzledファミリーのメンバーを同定し、その発現パターンから個々のWntファミリーが背腹、基部先端部、前後の位置価の決定に複合的に関与している可能性を示唆した。 本研究課題では四肢の発生系を舞台にした分泌シグナル分子のレセプター系の同定を通して、形態形成の誘導因子としての役割を解明することができ、胚発生における細胞間シグナル分子の重要性が再認識された。
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