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1996 年度 実績報告書

神経細胞の分化と神経伝達物質トランスポーターの発現

研究課題

研究課題/領域番号 07680815
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

門田 朋子  千葉大学, 医学部, 助教授 (00089864)

研究分担者 斉藤 祐見子  東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報, 研究員 (00215568)
諸井 佳代子  千葉大学, 医学部, 助手 (80110352)
キーワード神経伝達物質トランスポーター / ドーパミン・トランスポーター / PC12細胞 / 成長円錐 / NGF / 免疫組織化学
研究概要

1.PC12細胞におけるドーパミン・トランスポーターの発現とその動的局在:免疫組織化学的検討
神経細胞分化時にドーパミン・トランスポーター(DAT)がどのような発現を示すかを免疫組織化学的に検索した。ドーパミン性神経細胞のモデル細胞としてPC12細胞(hクローン)を用いた。このh株は特にドーパミンとノルエピネフリンの産性能が高いことで知られている。しかし、TATは分化と共に増加するのに対し、ノルエピネフリン・トランスポーター(NET)は逆に低下することから(平成7年度報告)、DA取り込み能にすぐれ、DAT発現をみるのに最適の細胞株であると考えた。
PC12細胞に神経成長因子(NGF)を投与すると、円形の未分化細胞は5〜6時間後より微小な突起を伸ばし始め、2日後には成長円錐を持った数本の神経突起を伸ばしていく。7日後になると神経突起はかなり長くなり、且つ複雑な神経線維ネットワークを構成するようになる。突起の先端には大きな成長円錐が認められる。
この培養細胞を抗DAT抗体で免疫染色してみると次のような結果が得られた;DATはコントロールでは細胞表面膜に点状に発現する。NGF添加5時間後には細胞の核周囲を中心にその発現の大幅な増加が認められ、さらに微小突起先端及びその基部の細胞性も陽性に染め出される。神経突起が伸長し始めるとその先端の成長円錐表面膜が強陽質に染色され、神経突起内の細胞質には染色陽性の小顆粒が認められる。
以上の所見から、次の4点が明らかとなった;(1)DATの発現は神経細胞分化初期に大幅に増加する。(2)DAT蛋白は小顆粒の形で細胞表面に運ばれ、表面膜に組み込まれる。(3)DATを組み込んだ膜の部分から神経突起が伸長を始め、その先端が成長円錐となる。(4)伸長中の神経突起先端の成長円錐へは次々と小顆粒の形でDAT蛋白が運ばれる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Tomoko Kadota: "Expression of dopamine transporter at the tips of growing neurites of PC12 cells." Journal of Histochemistry and Cytochemistry. 44. 989-996 (1996)

  • [文献書誌] Tomoko Kadota: "Synaptic spinules attendent on post-tetanic potentiation in cat sympathetic ganglion." Proceedings of Japan Academy. 72,SerB. 48-51 (1996)

  • [文献書誌] Mitsuaki Fujita: "Developmental profiles of synaptophysin in granule cells of rat cecerebellum : an immunohistocytochemical study." Journal of Electron Microscopy. 45. 185-194 (1996)

  • [文献書誌] 門田朋子: "シナプス機能と膜再循環." 生体の科学. 47. 287-291 (1996)

  • [文献書誌] 門田朋子: "シナプスの基本構造." Clinical Neuroscience. 14. 16-20 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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