研究課題/領域番号 |
07680847
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
|
研究分担者 |
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
|
キーワード | カルシウム / カルモデュリン / 細胞骨格蛋白質 / 神経細胞分化 / 蛋白質燐酸化酵素 / 微小管付随蛋白質2 / PC12細胞 / 燐酸化特異抗体 |
研究概要 |
平成7年度に、CaMキナーゼIIによる微小管付随蛋白質2(MAP2)の燐酸化部位のひとつとして1562番目のセリンを推定した。1)本部位が燐酸化されたペプチドを合成し、家兎に免疫して、燐酸化されたMAP2を特異的に認識する抗体を作製した。CaMキナーゼIIによるMAP2の燐酸化で作製した抗体に対する反応性が増加した。したがって、試験管内での本部位の燐酸化が確認された。2)小脳の初代培養細胞系で神経細胞分化時のMAP2の燐酸化反応を検討した。細胞内のカルシウム濃度を増加させる刺激によりMAP2の燐酸化が増強された。また、作製したMAP2の抗体を用いて1562番目のセリンが細胞内でも燐酸化を受けていることが確認された。3)PC12細胞を用いて、CaMキナーゼIIアルファーサブユニットを大量に発現する複数の安定なクローン細胞の確立に成功した。得られたクローン細胞では、細胞内カルシウム濃度を増加させる刺激によりMAP2の燐酸化反応が著しく促進された。以上の結果より、細胞内でもCaMキナーゼIIがMAP2の燐酸反応に関与することが示唆された。4)以前に得られた燐酸化特異抗体を用いて各種疾患や神経中毒モデル動物で種々の細胞骨格蛋白質の燐酸化反応の異常を検討した。今後、各種の燐酸化特異抗体を用いて細胞内での細胞骨格蛋白質燐酸化反応の生理学的意義を検討していく予定である。
|