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1995 年度 実績報告書

シナプス後肥厚部の分子構築とシナプス可塑性

研究課題

研究課題/領域番号 07680851
研究種目

一般研究(C)

研究機関信州大学

研究代表者

鈴木 龍雄  信州大学, 医学部, 教授 (80162965)

キーワードシナプス後肥厚部 / シナプス可塑性 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 長期増強
研究概要

IkB様分子およびNF-kB様分子のラット脳内の局在を光学顕微鏡および電子顕微鏡レベルで調べ,特に両分子がシナプス後肥厚部(Postsynaptic Density, PSD)に存在することを明らかにした.また,Western blottingによる検索では,脳全体では両分子とも従来報告されていたものとは異なった分子量のものが複数個存座していることが明らかになった.IkB様タンパク質としては PSD画分には唯一,分子量63,000のもののみが存在しており,かつこのタンパク質は調べた限りの細胞下分画では唯一,PSD画分にのみ存在していた.従って電顕を用いた免疫組織学的検索で示されたIkB様活性のPSD内局在は,この分子量63,000のタンパク質である可能性が高いと考えられた.そこでこのタンパク質をPSD-63と名付けた.さらに,PSD画分に存在する分子量63,000のタンパク質を集め,蛋白質分解酵素で複数のフラグメントを得た後にそれらのアミノ酸配列を求めたところ,8個のα-internexin内在配列を得た.そこで,α-internexinに対する抗体を得てPSD-63とα-internexinとの異同を検討した.まず2次元電気泳動では両者は等電点を弱酸性領域に持つ同一スポットに泳動された.しかしPSD-63がPSD画分にのみ存在する(前述)のに対して,α-internexinは他にミエリン,シナプス膜画分,シナプトソーム画分,P_1画分などにも存在しており両者の分布には大きな違いが認められた.このことから二つの可能性が考えられた。一つはPSDにはPSD特異的な配列を持つα-internexinが局在している可能性.もう一つはPSDにはα-internexinに加え,それとは全く異なるPSD-63分子が同時に存在する可能性である.申請者らは2次元電気泳動の結果から前者の可能性が高いと考えて,引き続きさらに検討を加えてゆく計画である.
またこれらの実験とは独立して,PSDタンパク質で,シナプスから核へシグナルを運搬する分子について抗体による検索を始めた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Olsen N.J.: "Functional characterization of the promotor for the α-subunit of calcium/colmodulin dependent protein kinase II" Proc.Nat1.Acad.Sci.USA. 92. 1659-1663 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki T.: "ERK2-type mitogen-activated protein kinase(MAPK)and its substrates in postsynaptic density fractions fromthe nat brain" Neuroscience Research. 22. 277-285 (1995)

  • [文献書誌] Okayama N.: "Mediation of pepsinogen secretion from guinea pig chief cells by G^<2+>/calmodrilin-dependent protein kinase II" Biochem Biophys.Acta. 1268. 123-129 (1995)

  • [文献書誌] Suzuki T.: "NMDA receptor subunit ε1(NR2A)and ε2(NR2B)are substrates for Fyu in the postsynaptic density fraction isolated from the rat brain" Biochem.Biochys.Res.Commun.216. 582-588 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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