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1995 年度 実績報告書

ニューロトロフィン-3タンパクの生体分布とその動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07680865
研究種目

一般研究(C)

研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

仙波 りつ子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (80100163)

キーワードニューロトロフィン-3 / 神経栄養因子 / ラット / 脳
研究概要

本年度は、以下のことが明らかとなった。
1 生後30日齢のラット脳および末梢組織のNT-3の分布を調べ、脳では嗅球、海馬、中隔野および小脳に、末梢組織では、胸腺、心臓、肝臓、横隔膜、脾臓、膵臓、副腎、腎臓等にNT-3が検出されることが明らかとなった。NT-3の含量は脳では海馬に、末梢組織では迷走神経の内臓性の標的組織に高かった。
2 NT-3の測定系はグアニジン塩酸存在下で反応が促進し、これまでの系に比べ10倍程感度があることがわかった(検出限界は3pg/assayから0.3pg/assayに上昇)。さらに、脳ではNT-3の抽出効果も上昇し、抽出しやすい状態のNT-3と抽出しにくい状態のNT-3の存在することがあきらかとなった。グアニジン塩酸下で測定すると、上述の4部位のほか、大脳皮質、線状体および視床下部にもわずかに検出された。
3 NT-3の免疫組織化学的検索から、海馬では錐体細胞層のCA2-CA4の神経細胞に局在し、膵臓では、グルカゴン産生細胞に顕著な局在が観察された。一方、NT-3およびその受容体であるTrkCのmRNAが膵臓にも観察されたことから、NT-3に標的細胞由来の神経栄養因子としての作用に加え、別の作用のあることが示唆された。
4 小脳のNT-3含量は、生後20日齢頃まで高く30日齢で激減することが明らかとなった。これは、ちょうど顆粒細胞の分裂時期と一致しており、NT-3が細胞分裂に何らかの関わりを持っている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kanda et al.,: "Effect of nerve growth factor and forskolin on glycosyltrans-ferase activities and expression of a globo-series glucosphingo-lipid in PC12D pheochromocytoma cells." Journal of Neurochemistry. 64. 810-817 (1995)

  • [文献書誌] Katoh-Semba et al.,: "Chondroitin sulfate proteoglycans in the rat brain: candidates for axon barriers of sensory neurons and possible modification by laminin on their actions." European Journal of Neuroscience. 7. 613-621 (1995)

  • [文献書誌] 仙波りつ子 他: "ラットの生後発達に伴うニューロトロフィン-3の変化" 神経化学. 34. 270-271 (1995)

  • [文献書誌] Katoh-Semba et al.,: "Tissue distribution and immunocytochemical localization of neurotrophin-3 in the brain and peripheral tissues of rats." Jouranal of Neurochemistry. 66. 330-337 (1995)

  • [文献書誌] Matsuda et al.,: "A possible role of the nestin protein in the developing central nervous system in rat embryo." Brain Research. (1996)

  • [文献書誌] Yamanaka et al.,: "Immunocytochemical localization of heme oxygenase-2 in the rat cerebellum." Neuroscience Research. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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