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1996 年度 実績報告書

疼痛抑制系の賦活と作用、発現におけるGABAの役割

研究課題

研究課題/領域番号 07680889
研究種目

基盤研究(C)

研究機関滋賀医科大学

研究代表者

小山 なつ  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50135464)

キーワードピクロトキシン / c-FOS / 背側縫線核 / 抗侵害受容
研究概要

中枢神経系の内因性の鎮痛系がどのようなメカニズムで活性化されるかを解明できれば、痛みの臨床治療に役立てる可能性がある。平成7年度に、電気生理学的手法で、第一に『GABA受容体のCl^-チャネル遮断薬であるピクロトキシンを静脈内投与すると、侵害受容ニューロンが非侵害受容ニューロンに変化する現象』を示し、第二にこのメカニズムは『下行性疼痛抑制系の起始核である中脳背側縫線核(NRD)に対するGABAによる脱抑制である』ことを、(1)中脳へのピクロトキシン微量注入実験と(2)中脳ニューロンの記録から示した。
今年度は平成7年度の結果を組織学的に裏付けるために、ニューロン活動の指標であるc-FOSの発現がピクロトキシン全身投与後に増加しているかを免疫組織化学的手法(ABC法)で、検索した。成熟ネコおよび成熟ラットを麻酔後、ピクロトキシン0.3mg/kgを静脈内投与し、2時間後潅流固定した。この用量は痙攣を誘発しない量である。麻酔及び静脈内投与用カテーテルの挿入を施した動物を対照とした。対照動物では、脊髄、延髄、中脳、視床にFOS陽性細胞はほとんどみられなかった。ピクロトキシン投与動物では、中脳のNRDに密な陽性細胞がみられ始め、この陽性細胞集団は、中脳から視床までの吻尾の広い部位に至っていた。中脳中心灰白質(PAG)の背側や外側部にも陽性細胞はみられたが、まばらであった。中脳の電気刺激によって鎮痛が得られる部位は、ネコではPAGの腹側部およびNRDが最も有効であるのに対し、ラットではPAGの背外側部が有効である。従って、ラットでは、FOS陽性細胞も背外側部に多くみられると予想していたが、ラットの場合もネコと同様に、FOS陽性細胞はNRDに密に分布していた。FOS陽性細胞は弧束核からもみられたが、下行性疼痛抑制系の中継核である延髄の大縫線核や脊髄後角から陽性細胞はみられなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Natsu Koyama: "Activation of descending antinociceptive system produced by introvenous picrotoxin" Path Research. 11. 85-95 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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