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1996 年度 実績報告書

マウスの始原生殖細胞の欠損をおこすter遺伝子産物の分子的解析

研究課題

研究課題/領域番号 07680913
研究機関静岡大学

研究代表者

野口 基子  静岡大学, 理学部, 助教授 (40021951)

キーワードマウス胚 / ter(teratoma)遺伝子 / 始原生殖細胞 / PGC増殖因子 / 生殖細胞欠損遺伝子 / コンデイションドメディウム / アポトーシス / コンジェニックマウス
研究概要

マウスのter(teratoma)突然変異について、本研究においてterコンジェニック系統3種、B6-ter、LTXBJ-terおよびC3H-terを樹立して、次の知見を得た。
1。ter遺伝子は単一の始原生殖細胞(PGC)欠損遺伝子であり、遺伝的背景によらずter/ter雌雄にPGCの移動期からその欠損をもたらし不妊にさせる。2。各胚のter遺伝子型は連鎖するGrl-1遺伝子座(Chr.18)のDNAマーカーのSSLP多型から容易に推定でき、ter/ter胎仔精巣体細胞と+/+PGCの再構成精巣の結果から、ter遺伝子は体細胞において機能していることが判明した。3。+/+および+/ter型胎仔のPGCを含む部域を細胞培養すると、PGCは増殖したが、ter/ter型では増殖せず、ter遺伝子の発現の培養系によるアッセイが可能となった。既知の4種のPGC増殖因子は前者の増殖を促進したが、後者にはなかった。PGCの細胞周期のS期にはter遺伝子型間の差はなかった。4。胎仔生殖巣体細胞を培養して得られた+/+および+/ter型コンデイションドメデイウム(CM)は培養系における+/+PGC数を増加させ、ter/ter型CMはPGCのアポトーシスを引き起こしその数を減少させた。いずれのCMもPGCのS期には影響せず、CMはPGCの生存を制御していた。5。体細胞とPGCのter遺伝子型間の交換培養では、+/+および+/ter型胎仔精巣体細胞は接触している+/+およびter/ter型PGCの生存を支持したが、ter/ter型体細胞は減少させた。これらの結果から、ter遺伝子座の正常遺伝子は生殖巣体細胞において分泌型および膜結合型産物を産出してPGCの生存を支持し、変異遺伝子はter/ter型生殖巣体細胞においてその欠陥因子を産生してPGCのアポトーシスによるPGC欠損をおこすことが明らかとなった。この新規のPGC増殖因子はTER Factor(TERF)と命名した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Noguchi,M.: "A novel primordial germ cell growth factor,TER Factor,produced by mouse testicular somatic cells." J.Reprod.Develop.43(in press). (1997)

  • [文献書誌] 野口基子: "腫瘍形成「生殖細胞-形態から分子へ」岡田・長濱編" 共立出版, 17 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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