研究概要 |
1メダカ胚由来の細胞への遺伝子移入 胚性幹細胞(ES細胞)を用いたトランスジェニックメダカ作成のためには、ES細胞への遺伝子移入の条件を検討する必要がある。これまでの研究に継続して、各種のプロモーターをもつプラスミドDNAを用い、ジーンパルサーを使用してこの検討を行なった。その結果、一般にマウスES細胞で用いられている電気的な条件はメダカ細胞には不適であることがわかり、キャパシタンス25μF,パルス電圧1.5kVの条件で高頻度の形質転換が得られること、また用いた各種の哺乳動物やメダカ由来のプロモーターはいずれも機能することが確かめられた。(第18回分子生物学会で発表) 2メダカ胚由来ES細胞の移植によるキメラメダカの作成 培養したES細胞の移植によるキメラメダカの作成も継続して行なっているが、発生が異常になり奇形を生じる割合が高い結果となっている。奇形を生じなかったものについては、移植した細胞が生殖系列に伝達されるのかどうかの確認を行なっている。 3メダカ胞胚期由来の胚盤葉のin vitroでの発生 ES細胞の培養を試みている過程で、胞胚期の胚盤葉は、その細胞を分離することなく培養すると胚様の構造をとるように分化することがあり、そのとき卵黄細胞に形成される卵黄多核層が体軸の決定に重要な役割をはたしていることが見いだされた。(論文投稿中)
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