研究課題/領域番号 |
07680929
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八木 了 東北大学, 医学部, 助教授 (90135137)
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研究分担者 |
清重 佳郎 東北大学, 附属病院, 助手 (30169958)
伊橋 光二 東北大学, 附属病院, 助手 (40160014)
松村 康弘 東北大学, 医学部, 助手 (60271912)
松下 登 東北大学, 医学部, 助手 (80165810)
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キーワード | 対麻痺(Paraplegia) / 四肢麻痺(Tetraplegia) / 機能的電気刺激(FES) / 治療的電気刺激(TES) |
研究概要 |
平成8年度は、健常者6名の起立と起立位保持の動作筋電図,健常者2名の歩行時動作筋電図を参考に、対麻痺と不全四肢麻痺の症例に対して、機能的電気刺激(FES)による起立・歩行の再建を行った。 起立動作の再建は5名の対麻痺に行った。麻痺高位はT_4〜T_<12>で、運動に関してはほぼ完全麻痺を呈していた。これら5名の両下肢に24〜30本の経皮的埋め込み電極を手術的に刺入した。刺激にはポ-タブルFES装置(FESMATE1230)を用いた。機能的電気刺激を行う前に、筋力増強の目的で最低6か月間の治療的電気刺激(TES)を行った。起立は患者自身の手に巻きつけたスイッチで制御し、平行棒内で行った。当初は起立性低血圧や頻脈のため、起立位保持は数分が限度であったが、最終的にはいわゆるC-姿勢をとることにより、5名全員が、装具を用いることなく、一回の刺激で60分以上の起立位保持が可能となった。 歩行の再建は2名の不全四肢麻痺に対して行った。2名ともに補助具を用いて数メートルの自力歩行は可能であった。電気刺激による歩行はポ-タブルFES装置(FESMATE1230)を用い、刺激の制御はわれわれが考案したフットスイッチで行った。刺激電極は、あらかじめ治療的電気刺激のために埋め込んだ、経皮的埋め込み電極(両脚で24〜30本)の中から適切なものを選んで行った。本法により2例ともに歩行速度は上昇し、歩行距離も伸びた。T字杖を使用していた1例は、これを除去して歩くことが可能となった。
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