冠動脈像から血管領域を抽出するために非線型平滑化と動的閾値処理を行ない血管辺縁部を検出し、辺縁部に囲まれる領域を血管領域として抽出した。血管領域に対して細線化処理を適用して血管の芯線を得た。芯線上の各点における接続情報から分岐点と端点を抽出し、これらから個々の血管セグメントを分離した。血管セグメントごとに背景距離や走行方向やセグメント長などの情報を求め、それらをもとに各分岐点ごとの血管接続セグメント組を抽出した。接続可能セグメントを画面全体で追跡することにより主要血管を抽出できた。主要血管からのLADとLCXの選別には撮影時の方向をシステムに与える位置情報を利用した。そして主要血管に接続する血管を選別し、それぞれを接続位置接続方向を基にして名前付けを行なった。個々の血管セグメントに対してエントロピフイルタ法により両辺縁を決定し芯線の各位置での径を求めた。求めた径に対してハフ変換を用いた狭窄判定法を適用して狭窄部位を抽出した。 レポートの構成として、(1)原画像、(2)芯線画像、(3)セグメントごとの径変化表示を1面に配置した。開発した狭窄判定法により判定された狭窄部位を(2)の芯線画像と(3)の径変化表示における。該当するセグメントの該当する位置に印をつけた。さらに(3)には該当するセグメントの横に狭窄率を示すことにより、数値を読みやすくした。これにより臨床でも使用可能なレポートの自動作成が行なうことができた。
|