研究概要 |
本研究は、英語の否定構文の史的発達を分析する上で、特に統語論や方言学上の視点を加えることを目的とする。これまで、手作業に頼って来た資料収拾を機械化するため、オックスフォードから提供されるコンピュータコーパスを活用した。ただし本年度は、コーパスからデータベースを作成するための準備にかなりの時間を費やさざるを得なかった。コーパスを取り寄せ、プリントアウトし、これを編集された印刷本のテキストと合わせて校正の作業をしなければならなかったからである。それでも、否定の縮約形がCheshireでも幅広くみられるなど、これまでの研究成果を補足する結果が得られた。また、中英語の否定縮約形と時代との関係はこれまであまり明らかにされていないが、本研究では、時代が下がるにしたがって、縮約形の頻度が低下する様子が、とくにWest Midlandsなどに関して明らかになった。この結果は4月にUniversity of Wisconsin,U.S.A.で開催される学会でも発表予定である。
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