研究概要 |
結び目のDehn手術でいつSeifert多様体が生じるか?という問題に解答を与えることを主目的に研究を行ってきた。これまでの研究で結び目がsatellite結び目のとき次の事実が得られていた。Seifert多様体を生み出すDehn手術は整数係数のDehn手術であり、そのようなDehn手術は高々4個しか存在しない。(これらの事実は宮崎氏との共著論文Seifert fibred manifolds and Dehn surgeryにまとめられ専門誌Topologyから出版予定)。そこではsatellite結び目に対するmodificationという操作が本質的な役割を果たしていた。本研究ではmodificationをさらに詳しく調べSeifert多様体を生み出すDehn手術の個数が高々2個になることを証明し、更にもしそのようなDehn手術が2個存在すればそれらの手術係数は連続した2整数であることを示した。また本研究で連続2整数m,m+1に対しm-Dehn手術とm+1-Dehn手術がともにSeifert多様体を生み出す例を具体的に構成し上の結果が最良のものであることを示した。これらの結果は宮崎氏との共著論文Seifert fibred manifolds and Dehn Surgery IIにまとめられ現在投稿中である。 またSeifert多様体を生み出すDehn手術の研究はMontesions結び目(絡み目)の結び目解消数(絡み目解消数)の研究と密接に関係しており、本研究において4個以上のbranchをもつMontesinos結び目(絡み目)の結び目解消数(絡み目解消数)が1になり得ないことを証明した。
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