研究概要 |
準自由反応領域において、Exclusive(p,xπ)(x=d,pn,pp,nn)反応によって原子核内でのΔN相互作用、パイ中間子発生反応機構について研究する。これらのうち、(p,dπ)反応についての測定を行っている。本研究では、パイ中間子発生反応と2体反応機構を特定し、反応に関する始状態および終状態についての量子状態を指定する。これにより、原子核内でのパイ中間子の挙動、ΔN相互作用について精密な議論が可能となる。 測定は大阪大学核物理研究センターで行っている。重陽子(d)は「GRANDRAIDEN」によって、パイ中間子は「大口径スペクトログラフ」を用いて測定する。「大口径スペクトログラフ」によるパイ中間子測定については、素過程pp→dπ^+反応を用いて基礎的性能についての調査を行い、100MeV/cまでのパイ中間子の測定が可能であることを実証した。現在、超前方での重陽子測定に向けて準備を行っており、来年度4月に本実験を行う予定である。Δ共鳴状態が強調される条件のみならず、パイ中間子が原子核中に停止して生成される状況を作り、広く原子核中でのパイ中間子の挙動について研究を行う。また、(p,ppπ),(p,pnπ)反応の測定についての検討を行っている。 関連する研究として、重い原子核に深く束縛されたパイ中間子原子の存在について探索を行い、その存在を実証した。
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