本研究は、計算機物理学での高速分散並列演算システムのモデルを作り、シミュレーションを行いモデルを評価した後に、原理を実証するために実際に演算システムを組み立てることを目標としていた。 更に具体的には、演算処理システムの性能を向上させるために演算処理能力がシステムの大きさに比例する構成を考え製作評価することにより演算処理システムの性能向上をねらっており、ノードコンピューティングという概念(それは多数の演算処理部が巨大なネットワークで相互に接続されており、その接続方法は自由に変えることができるようなものである。演算処理部は入力されたデータに対し簡単な演算を施し次の演算処理部へ送る。データは巨大なネットワーク上を流れるうちに最終結果となる。このようにすれば演算処理部で能力が制限されることがなく、かつネットワークの接続を変えることで色々な計算対象への応用が可能となる。)を考え、それに対する具体的なハードウエアをシミュレーションを基に、設計し製造することが最終的な到達点となっていた。シミュレーションに関しては、現在、すでに決定されたネットワーク構造を基にデータの受け渡しおよび、バッファリングの方法について検討中であり、その結果を雑誌投稿する予定である。ハードウエアの設計制作に関しては、すでに決定されたネットワーク構造にあうようなものをハードウエアディスクリプション言語と呼ばれるものを使用し設計を終了させた。これを基にもう一度全体のシミュレーションを行った後、ハードウエアの制作に取りかかる予定である。
|