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1995 年度 実績報告書

有機分子被覆法による走査トンネル分光

研究課題

研究課題/領域番号 07740266
研究機関姫路工業大学

研究代表者

井田 隆  姫路工業大学, 理学部, 助手 (80232388)

キーワードSTM / STM探針 / フラーレン
研究概要

最近,大気仕様のSTM探針として一般的に用いられている白金合金探針の先端をC_<60>分子で被覆するとグラファイト表面のSTM像の解像度が飛躍的に向上することが報告された[Resh et al.1994].これは金属探針の先端に付着したC_<60>分子が曲率半径の小さい探針の役割を担うためだとされている.また,このときトンネルスペクトルはC_<60>分子の電子状態密度を反映したものになることが確かめられている.本研究ではC_<60>分子以外の多環状芳香族分子などの有機分子を被覆した場合の効果を実験的に調べることを目的とした.研究の初めの段階として,十分に尖鋭な探針を得るために白金-イリジウム合金製のワイヤの端を電気化学的なエッチングにより尖鋭化してその曲率半径を評価するための方法論を確立することを試みた.既に報告されているエッチング法を参考にして,ファンクションジェネレータを用いて正弦波およびパルス波により電気化学的なエッチングをおこなうシステムの製作をおこなった.またエッチング後の探針先端の形状を姫路工業大学理学部の共同利用機器である透過型電子顕微鏡により観察するために,電子顕微鏡の試料ホールダ部を新規製作した.電子顕微鏡観察の結果,エッチングの際に適当な手順を踏むことにより先端の曲率半径が10nm以下の探針が得られる場合があることを確認した.これはReshらが用いた不規則な先端形状をもった探針と比較して非常に尖鋭なものであるといえる.現時点ではC_<60>分子を探針に付着して高配向グラファイトの原子像観察をする予備的な実験をおこなっているが,顕著な解像度の向上などの効果は認めておらず,さらに研究を継続する必要があると思われる.

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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