研究概要 |
本年度はウラン系化合物超伝導体の研究のため^3He冷凍機のガス操作系の作成をし、抵抗測定をおこなっている。また、^3He温度までの熱伝導、AC帯磁率の測定装置を作成、テストしている。これにより、今後、UPt_3、URu_2Si_2、UPd_2Al_3について超伝導状態の対称性に関する情報を得る予定である。 また、1.5K、15Tまでの磁場中比熱装置を完成し、今後重い電子系の超伝導物質について、超伝導転移温度より高温に存在する磁気秩序について情報を得る予定である。 また、関連するテーマとして、CexLa_1-xB_6の反強四重極相に関する研究を行っている。15Tまでの磁場比熱中の測定により、磁場中での磁気相図(反強四重極相常磁性相転移の磁場中異方性)と反強四重極相の性質に関する研究を行っている。この物質は典型的な近藤物質であり、また、四重極相互作用の性質を明らかにすることはウラン系化合物超伝導体の研究とも関連が深いと思われる。 現在までに、磁場中比熱の測定により、これまではっきりしていなかった高磁場中での、Ce_<0.5>La_<0.5>B_6における常磁性反強四重極相転移が15Tまで存在することを確かめた。また、転移温度T_Qの異方性について、CeB_6(従来異方性がないといわれていた。),Ce_<0.5>La_<0.5>B_6について、T_Q100<T_Q110<であり、異方性の大きさをT_QでスケールするとCe_<0.5>La_<0.5>B_6のほうが約2倍異方性が大きいことを見出した。
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