本研究は、科学技術庁無機材研所に設置してある極端波長フォトン発生装置と4軸回折計システムを使用して単結晶X線回析実験を行い、多くの構造因子を測定し、通常の構造解析やマキシマムエントロピー法によりCe化合物の4f電子の局在性・非局在性を評価することである。 そこで、シリコン(Si)、ダイヤモンド(C)及びゲルマニウム(Ge)について短波長X線高分解能電子密度分布の解析を行い、sp^3共有結合の殻の違いによる変化の詳細を明らかにすると共に、これにより、システムが正しいとの評価を下せた。 また、4f電子を1個含むCeB_6と含まないLaB_6及び、4f電子の半閉殻を持つGdB_6について、温室にて、高分解能電子密度分布の解析を行い、4f電子数に伴う変化を定性的に示すことができた。解析に対して最も影響が大きいB-B間の共有結合の電子密度分布が、含まれるランタノイド原紙によらずほぼ同じであること、4f電子を含まないLaB_6によりランタノイド原紙の非調和熱振動の見積もり、4f電子の数の増加によるランタノイド収縮の電子密度分布における影響の見積もり、ランタノイド原子のイオン性の評価などを行い、Ce原子に伴う4f電子密度分布を合成した。
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