• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

レーザー分光法によるCaおよびSr原子の光イオン化完全実験の試み

研究課題

研究課題/領域番号 07740340
研究機関東北大学

研究代表者

奥西 みさき  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80224161)

キーワード光イオン化 / 光電子分光 / 原子
研究概要

本研究の目的は、原子の光イオン化を表す遷移行列要素の(位相を含む)すべてを決定するための実験手法を確立するところにある。対象としてはCa原子の130nm付近の光吸収に伴うイオン化過程に絞って実験を進めた。Ca原子はこの波長領域の光を吸収するとCa^+の励起状態(4s4p^2P_<3/2>)のイオン化連続状態への直接遷移が可能となる。本研究ではこの過程の遷移行列要素を求めるための実験手法の確立を試みた。この実験で用いる130nm付近の真空紫外光は、2台のパルスレーザーを用いて、Kr原子を媒体とする2波長2光子共鳴4波混合法により発生させる。また、イオン化に伴い放出される光電子は飛行時間型電子エネルギー分析器によりエネルギー分析して、求めるイオン化過程に関与する電子だけを区別して検出し、照射光の偏光方向に対する角度分布を測定する。更に、生成したCa^+の励起状態(4s4p^2P_<3/2>)からの発光の偏光依存も測定する。
本年度の前半は主に実験装置の製作を行った。その後、既存の真空槽に真空紫外光発生装置と磁気遮蔽ケース及び飛行時間型電子分析器を取付け、それぞれの装置の立ち上げを行った。真空紫外光の発生は、NOガスを封入したガラスセルを真空槽の後方に取付け、その1光子直接イオン化を測定することにより確認した。次に、NOガスを真空槽の中央部に導入し、真空紫外光の照射により生成した光電子の飛行時間測定を行い、電子エネルギー分析器の動作の確認を行った。本研究では、非常にエネルギーの低い(数百meV)電子の測定を行うので、磁場及び電場を十分遮蔽することが必要であった。その後に、Ca溜めを持つノズルを真空槽に設置しCa原子線を発生させ、光電子の測定を試みたが、Ca原子の電子分析器への付着による電場の乱れのため光電子の観測は出来なかった。そこで現在Caの付着を極力避けるための装置の改良を行っているところである。

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi