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1995 年度 実績報告書

分子認識能を有する新規分子性導体の探求

研究課題

研究課題/領域番号 07740552
研究機関東京都立大学

研究代表者

西川 浩之  東京都立大学, 理学部, 助手 (40264585)

キーワード分子性導体 / 分子認識能 / カリックスアレン
研究概要

1.分子集合体において,発現する物性や機能性は集合状態における分子の配列および配向に大きく影響される。分子性伝導体においても,分子レベルでドナーやアクセプターを設計し,集合状態の分子配列および配向を制御することを可能にしていくことが,その開発において重要なポイントとなる。本研究ではその様な観点から,分子認識能を有するカリックス[4]アレンに注目し,カリックスアレンの包摂機能を保持しつつ,アクセプター性を導入した新しいタイプの分子性伝導体の開発を目的として行った。具体的な分子設計として,カリックス[4]アレンのフェノール部分をアクセプター分子であるDCNQI(N,N'-ジシアノキノンジイミン)構造へ変換した分子をターゲット分子として,その合成について検討を行った。
2.カリックス[4]アレンのキノン体であるカリックス[4]キノンは既報の方法にしたがい,カリックス[4]アレンを硝酸タリウムと反応させることにより合成した。得られたカリックス[4]キノンを,従来のDCNQI誘導体の合成法を適用し,塩化チタン存在下,ビス(トリメチルシリル)カルボジイミドと様々な条件下で反応させてみたが,目的とする分子は得られなかった。これはカリックス[4]アレンの分子骨格が強固に保持されているため,従来のDCNQI誘導体の合成と異なり,反応点であるケトン部分が立体的に込み合っているためではないかと考えられる。このように従来のDCNQI誘導体の合成法を適用するだけでは目的とする分子は合成できないことが明らかとなった。現在,分子認識性を持つドナー分子として,DCNQI誘導体が金属イオンと特異的に配位する最少単位であるシアノ基が長鎖アルキルを介してTTF誘導体に結合した分子の合成を検討しているところである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Nishikawa: "Synthesis and Properties of Alkylthio-Substituted Tris-Fused Tetrathiafulvalene" Chemistry Letters. 46-44 (1996)

  • [文献書誌] Y.Misaki: "Crystal Structures and Physical Properties of DTET-TTF Salts" Synthetic Metals. 70. 1151-1152 (1995)

  • [文献書誌] Y.Misaki: "Crystal Structures and Conducting Properties of TTM-TTP Salts" Synthetic Metals. 70. 1153-1154 (1995)

  • [文献書誌] H.Yoshino: "Anomalous Angular Dependence of Magnetresistance of an Organic Superconductor,(DMET)_2I_3" Journal of the Physical Society of Japan. 64. 2307-2310 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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