1 無機レジストの作成 無機レジストとして、110kまで冷却した基板上に、ふっ化アルミニウムを10%ドープしたふっ化リチウムを膜厚25nm蒸着した。パターン形成過程を制御するため、ふっ化リチウム上に、表面からのガス脱出を阻止する薄膜(キャップ層)を付加した。 2 加工曲線の測定 加速電圧200KVの走査透過型電子顕微鏡:日立H-8000を用い、線幅20nm、プローブ電流密度10A/cm^2、走査速度9μm/sとして、150回重ねてライン走査を行った。同時に、走査回数に対する暗視野信号強度の変化(加工曲線)を測定した。その結果、キャップ層がある場合の加工曲線においては、ふっ素ガスの噴出による不連続な強度変化が約50%の確率で見られるが、キャップ層がない場合は全く見られないことがわかった。以上より、キャップ層の効果があり、これを用いたパターン形成過程制御が可能であることが確認できた。 3 元素マッピング H-8000を用い、露光量10^3C/cm^2で、直径100nm、周期200nmのドットパターンを形成した。これを試料とし、H-8000、パラレル電子エネルギー損失分光器:GATAN mode1666及び本研究室で開発した検出システムを用いて元素マッピングを試みた。その結果、ふっ化リチウム薄膜の厚さに対応したリチウムマップが得られることを確認した。 4 今後の計画 走査透過型電子顕微鏡法及び元素マッピングを用いてパターンエッジ部のラフネス及び組成を解析し、キャップ層の有無とパターン形状との関連について検討を行う。
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